プロがボーカルの悩みを解決します
Q1:ハードロックが歌いたいのですが、高い音をうまく出せません。上のソの音までは何とか出るのですが、それ以上は無理みたいです。練習をすれば出せるようになるのですか?(高校2年・男)

こんにちは。
伸びやかでパワフルな高音を出すことはボーカリストの夢でもありますね。

高い音を出すには、まず音程の原理を知る必要があります。
音程は声帯という器官で作られます。

ギターを思い浮かべてみて下さい。
左手でどこも押さえずに弾いた音と、同じ弦で(弾いている人から見て)右寄りのフレットを押さえて弾いた音では後者のほうが高い音が出ます。
どうしてかというと、どこも押さえずに弾いた音のほうが震えている弦が長いですよね。
右寄りのフレットを押さえていくと、震えている弦の長さは短くなっていきます。
弦が長いとゆっくり震えます。逆に短いと速く震えます。

音は空気の振動で作られます。振動が速ければ高い音になり、遅ければ短い音になります。
弦が速く震えて、空気が速く震えれば、高い音になるというわけですね。

さて、声も同じことなんです。
声帯を速く震わせることで、高い音を出すことができます。

ところが声帯の速さをコントロールするというのは、なかなか難しいことです。
普段話しているときは音にそれほど高低はありません。
通常使わない筋肉を使うのですから、ボイストレーニングのような特別な訓練が必要になるのです。

よくアマチュアの方で、「私は●オクターブ出る」という人がいますが、実際は無理やり喉を絞めて出しているだけで、聴いているこちらも苦しく感じてしまうことが多かったりします。

出せる音と「歌に使える音」は別です。

訓練をすれば、高い音も低い音も出せるようになります。
そのためには正しい呼吸と発声ができていることが前提です。
正しい呼吸や発声ができた上で、少しずつ「使える音域」を広げていくことができるのです。

喉を締め付けて無理やり出すのは禁物ですよ。

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