こんにちは。
英語圏の外国人と日本人では色々な点で大きな差があります。
まず日常生活の発声方法から違います。外国人の方と直接話をすると分かりますが、とても大きな声で驚くことがあります。日本人の場合は総じて小さく細い声で会話をしています。
骨格・体格の違いもありますが、基本的な発声方法が違います。外国人はお腹から声を出してきちんと響かせているのに対して、日本人は胸から上で声を出しています。国民性の問題かもしれませんが、はっきり意見を行ったり、相手にしっかり伝えたいという気持ちの表れではないかと個人的には思います。
CNNなどニュース番組を比べるとよく分かりますが、外国のキャスターはとてもはっきりした声でとても聴きやすいですが、日本人のキャスターは大抵引っ込んだ感じのこもった声でよく聴き取れないことが多いです。訓練を受けているはずのキャスターでさえ、これだけ差があるわけですから、一般の方の差はもっと大きいのです。
さて、日本人が洋楽を歌うと、どうしても本物のようにはなりません。
では絶対に無理かというとそんなことはありません。日本人でも本場に負けないくらい素晴らしい歌うアーティストはたくさんいます。
外国人のように歌うには、まず発声方法を根本から見直す必要があります。
腹式呼吸によって深い息を使い、体を使って響かせれば、外国人のような声量・声質を手に入れることは不可能ではありません。
幼い頃から体を使って声を出す習慣のある外国人と同じような発声をするわけですから、相当の訓練は必要です。正しい発声方法をマスターすることからスタートしましょう。
英語をキレイに発音することも洋楽を歌うときの大きなコツです。
日本人が洋楽を歌うと単語をただ羅列しているだけに聞こえることが多いです。単語すべてを同じように発音していては英語に聴こえません。
英語は日本語に比べてリズムやメリハリのある言語です。英語はしゃべっているだけで歌になるような独特のリズムがあります。本物に近づくには、日常会話における英語のリズムを体で覚えるしかありません。英語をぺらぺらにしゃべれる必要はありませんが、ある程度話せるほうがいいですね。
英語の歌詞を朗読してみましょう。学校の授業で当てられて教科書の英文を読むような棒読みではダメです。外国人になりきって大げさにイントネーションをつけて読んで下さい。特に単語をバラバラに読むのではなく、文章ひとかたまりを一つのフレーズとして読むのが大事です。
単語と単語を連結するいわゆるリエゾンを使って流れるように読んで下さい。もちろん RやL、THの発音も正確に!
正しい発音で朗読ができなければ、英語の歌を本物のようにうたうことなどできませんからね。
そして歌詞の内容もしっかり理解して、大事な単語とそうでない単語を分かって歌う必要もあります。日本語でも同じですが、表面的に単語をなぞっているだけでは決して本物のような歌にはなりません。
最後に、そもそも英語の歌を何故本物のように歌う必要があるのかも考えてみましょう。
外国人に歌を聞かせたり、アメリカでヒットチャートを狙うならネイティブのような発音は必要でしょう。外国人が日本語をしゃべるとどんなに上手くても独特のイントネーションになってしまうのと同様に、日本人の英語も独特です。アメリカはたくさんの民族がいますから、日本ほど発音の差に敏感ではないかもしれませんが、それなりにしっかりとした発音は必要です。
もし日本で日本人に聴かせるのであれば、必ずしも本物のように歌う必要はないかもしれません。洋楽を本物のように歌うのは確かにカッコいいですが、英語がカッコいいからという理由だけで、表面的に英語の歌を作ったりうたっても、決していい音楽にはならないと思います。
例えば、ポップスやロックのルーツであるブルースは黒人の音楽です。ブルースは奴隷として連れてこられた黒人が作り発展してきた音楽ですから、黒人でないと出せないフィーリングやリズムがあります。
では白人が歌うブルースはダメな音楽かというと全くそんなことはありません。たしかに敵わない部分もありますが、白人ならではのブルースにも素晴らしいものがあります。
現代のポップス・ロック自体がブルースやカントリーをベースに欧米で作られたものです。日本人がそれを表面的に再現するのには無理があります。
日本人には日本人の良さがあります。大切なことは、ブルースだろうとクラシックだろうと、そのジャンルの歴史や歌唱方法を理解し、それを自分というフィルターを通して、何を表現するかではないでしょうか。
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