プロがボーカルの悩みを解決します
Q56: こんにちわ! 僕はあるロックバンドでボーカルをつとめる事になったので、あるボイトレ本を買いました。 僕の場合、どうしても高音域になると喉に力が入ってしまうので、その教則本で解消しようと見た所…「歌う時に必要な力は、基本的にあくびと溜息が混ざったような声を出す時と同じ感じ。そして腹筋を使う」と書いてありました。
しかし、腹筋に力を入れると必然的に上体(喉にも)に力が入ってしまうので、結局ワンステージでつぶれてしまいます。 鼻への響かせ方は自分でも良い方だと思っています。
どうしてプロの人は一曲一曲をあんなに力強く歌えているのにつぶれないのでしょうか。 教えて下さい!(;;) (大学生・男・20)

こんにちは。
喉がすぐに潰れてしまう原因の一つは、喉の使い方です。
喉を絞めて声を出すと声帯粘膜がこすれて、ダメージを受けるからです。
特にトレーニングを積んでいない人が、高音で喉に力を入れて無理に出すと、
喉の疲労も早くなりますし、炎症やポリープの原因にもなります。

あくびや溜息のイメージが良いとされるのは、喉の開放・リラックスを意識しやすいためです。 イメージを作るのには効果的ですが、実際の歌の中で意識するのはなかなか難しいのではないでしょうか。

腹筋をうまく使うと、呼吸を支えることができるので、安定した歌になります。

腹式呼吸の基本は横隔膜を押し下げて、肺のスペースを広げることですが、横隔膜をコントロールできないと安定した歌はうたえません。
横隔膜自体は動かすことはできませんから、周辺の筋肉を使うことになります。
その際に、腹筋や背筋を補助的に使うことで、より安定させることができるのです。

やみくもにお腹に力を入れてもダメなんですね。

プロが長時間歌っていても声がつぶれないのは、喉を効率よく上手に使っているからです。
もちろん声帯を動かす筋肉、その他付随する筋力の高さもあります。

アマチュアはプロと同じような高音を出そうとして、喉を締め付けて歌ってしまいます。
その結果、すぐに疲れてしまう、喉を痛めてしまうということになります。

歌は筋肉運動ですから、訓練をしていないのにプロと同じことができることはありませんからね。

魔法のようにある日突然歌がうまくなる、高い声が出せるようになる方法はありません。
自分に合った正しいトレーニングを継続することが大切ですよ。 がんばってくださいね!

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