こんにちは。
使える音域が広がれば、曲の選択肢がぐんと広がり、歌の楽しみも増えますよね。
さて結論から言いますと、高い声を出すための特別な方法は、残念ながらありません。
高い声を出すメカニズムを簡単に言いますと、声帯を薄く伸ばして速く振動させるということです。音は空気の振動ですから、声帯が速く振動すれば、空気も速く振動して高い音(高い周波数)の音が出せます。
ではどうすれば声帯を薄く伸ばせるか。声帯を伸ばすには声帯を引っ張る筋肉を鍛えるしかありません。オクターブ上のFまでしか出せない人が、最高音がAやBの曲を歌うと言うことは、例えが悪いかもしれませんが、腕立て伏せが10回しかできない人がいきなり100回に挑戦するようなものです。
声帯を鍛えるには、正しいトレーニングが必要です。日常生活の発声の中では鍛えることができませんし、むやみやたらに歌っていても、高い音が出るようにはなりません。
アマチュアに多いのは、喉を締め付けて高い音を出す人です。確かに高い音は出るかもしれませんが、声帯の筋力が弱いのに喉全体(胸や肩も)を使ってしまうと、良い響きが得られず、線が細くて弱弱しく、苦しそうな声になってしまいます。これでは歌になりませんよね。(低い声と同じようなリラックスが必要なのです)
腕立て伏せ100回を目指すならば、今日は10回、明日は11回、来週までに20回と段階を踏んで鍛えていかなければなりません。ある日突然100回できるようになることはないのです。
ただし、コツはあります。正しいフォームと上手な力の使い方を覚えれば、結果は早くなるでしょう。ちょっとした体の使い方で効率は変わってきます。一つ例を挙げると、裏声は良い練習になります。裏声を使えば、リラックスした状態で高音を出しやすい(声帯を伸ばしやすい)ので、イメージが作りやすくなります。
繰り返しますが、喉を締め付けて高音を出し続けていても、喉を痛める(不自然な摩擦で炎症を起こす、筋肉疲労を起こすなど)だけで、中低音と同じような声を出すことは難しいと考えて下さい。使っている筋肉や使い方が全く違うからです。正しい呼吸や発声の仕方を覚え、段階を踏んで声帯を鍛えていくしかないのです。それが声帯を鍛える近道になります。
具体的な方法は、ここでは書ききれませんが、もし音域を広げたいのであれば、スクールなどで信頼できる先生から正しい練習方法を学ぶことをおすすめします。
がんばってくださいね!
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