プロがボーカルの悩みを解決します Q76:キーボード&ボーカル、アコースティックギター、パーカッションの弾き語りユニットを組んで活動しています。
ボーカルについてですが、モニターの状況で歌いやすさが違います。例えば、ボーカルの音量が大きすぎても歌い辛い、リバーブがのっている方が歌いやすい、高音域が出ていると歌い辛い…などがライブで感じた事です。これはライブ時のモニターに限らずカラオケでも同じですが、自分の声を聞きながら歌う時、聞こえ方によって違います。高音を削って中音域を上げると歌いやすいと聞きますが、本当でしょうか?確かに高音が聞こえるとスカスカした感じで不安定になったりします。
歌いやすい設定があれば教えてください! (飲食店 ・女・26)

こんにちは。
ライブでもレコーディングでも練習でも、モニター環境は良い歌唱・演奏をするために最も重要なことの一つです。正しいモニター設定は個人個人で異なりますので、一番歌いやすい設定をご自身で研究していくしかありませんが、コツをいくつかご紹介します。

まず音量ですが、歌が大きすぎても小さすぎても良くありません。ですがアマチュアの方は、ライブでもレコーディングでもボーカルの音量を上げすぎる傾向にあるようです。アマチュアの方はどうしても自分の声を中心に聴いてしまいます。ミスしないかな、音程を外さないかな・・など心配してしまうので自分の声を大きくしてしまいがちですが、モニター設定の基本は、全体がバランスよく聞こえることです。なぜなら、アンサンブルを良くすることが最大の目的だからです。ミスしないためのモニターではないのです。

自分の音量が大きすぎると、リズムやニュアンス、ピッチなど、バックとのアンサンブルが合わせにくくなります。他の楽器の音がきちんと聞こえ(モニタースピーカーからだけでなく、生音も合わせて判断)、自分の声がそこに自然になじむ音量に調節すると良いでしょう。もちろん、歌唱中にアンサンブル全体をきちんと聴けていることが前提です。(アマチュアの方はこれがなかなか出来ていません。耳を良くすることが大事なんですね!)

次にモニターの音質ですが、これも声質によって異なりますので、正解はありません。これもポイントは他の楽器とのバランスです。高音を上げすぎると歌いにくいのは、確かにそういうことはあると思います。高音は耳に一番届きやすい音域なので、歌が聞こえすぎてしまう原因になります。逆に、楽器陣のサウンドやアレンジによって(音の密度が高かったり、高音が強調されているバンドサウンドなど)は、ある程度高音を出さないとモニターしにくいという場合もあるので一概には言えません。

ご質問のようなアコースティックな編成ですと、高音が出る楽器がないので、ボーカルのモニターも高音を出す必要はないでしょう。むしろ中低域がメインの温かいサウンドだと思いますので、ボーカルモニターも高音を抑えたほうが歌い易いはずです。ベースラインを聴きやすくするという意味で、低音も少しカットすると歌い易いかもしれません。
(中音域を上げるというのは、低音と高音をカットするのと同じことです。)

あくまでバックとの相対的なものですし、会場の広さや音響によっても変わります。こればかりは経験を積むしかありません。ライブをやって「楽しかった〜」で終わるか、次に繋げていけるかで上達度は大きく変わっていきます。

がんばってくださいね!

>> オンライン通信でプロのボーカルレッスン-トップページへ

プロアーティストコース ベーシックコース 無料体験