こんにちは。
洋楽アーティストのように太くてパワフルに歌いたいという願いは、多くのボーカリストにとって憧れだと思います。では、日本人が海外の一流ボーカリストのような声になることができるかどうか、と言われれば、残念ながらNOと言わざるを得ないでしょう。(100%ではありませんが・・・)
ですが、これは決してネガティブな意味ではありません。
そもそも西洋人とは骨格が違います。声質は、発声がパーフェクトに出来ている前提なら、骨格による「響き」によって決まる部分が大きいからです。体の構造が異なる日本人が西洋人と同じ声を出そうとするのはなかなか難しいことだと言えます。(英語の発音の特性による響きやリズムも関係しています)
では、日本人には良い歌がうたえないか(良い音楽が出来ないか)というと、そんなことは全くありません。日本人には日本人の良さがあります。確かにロックやR&B、ヒップホップなどは英語文化から生まれてきたものですから、英語で西洋人が歌う(演奏する)ことが一番しっくりくるのが当然です。そのまま同じことをやれと言われれば、日本人には難しいでしょう。
ですが、それはナンセンスではないでしょうか。そういうものが聴きたいのであれば、本場の人の音楽を聴けばいいだけの話で、日本人によるコピーをわざわざ聴く必要はありません。日本人がそれらを解釈して、日本人なりにアレンジして新しい音楽を作ればいいのです。表面上の単なるコピーでなく、その音楽の本質を理解して、それを自分のフィルターを通して表現すれば、素晴らしい音楽を作ることは可能だと思います。
邦楽は日本だけでしか売れませんが(最近はアジアなどでも売れますが)、例えばアメリカで売れる音楽は、世界中で売れます。ビジネス上の問題、言語の問題ももちろんありますが、やはり「世界中の人の心に響いている」ということに間違いはありません。
外人のように歌いたい!という高い目標を持つことは、とても大事なことです。ですが、「外人と同じように歌う」のではなく、「外人と同じように感動を与える歌を歌いたい」と考えてみてはいかがでしょうか。何も西洋人と同じ声を出す必要はありません。自分の声で何が表現できるか、何を伝えられるかが大事なのです。もちろんそのためには、最低限の技術レベルに達していることが前提ですから、練習をしっかり積むことが大切なのは言うまでもありません。
がんばってくださいね!
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