こんにちは。
地声と裏声は発声のメカニズム(正確には声帯の使い方)が違うために、どうしてもサウンドが変わってしまいます。それを目立たないようにすることは、歌い手の一つの技量です。
クラシックの声楽で言う声区の変換、つまり地声と裏声の切り替えは、出来るだけスムーズに出来るようになることが理想ですね。ポップスのシンガーでも非常に上手に切り替える方も多くいらっしゃいます。
地声と裏声の境目を完全になくすことは出来ませんが、目立たなくするにはできます。ミックスボイスなど(定義は曖昧です)と言われますが、いわゆる中声区の声を使うことで、境目をボカスわけです。この中声区を上手く使うことがポイントですね。
このテクニックは、高音域を有効に使うためにとても大事ですので、当講座のレッスンでも重点的に練習をしますが、なかなか難しい技術で、そのための特別な練習が必要です。(ごめんなさい。この場では練習方法などは紹介しきれません!)
声楽経験者が、ポップスの歌おうとすると、どうしてもクラシック的な声になってしまって悩んでいるという方は多いですね。声楽でもポップスでも同じ歌なのに、どうしてクラシック的な感じがするのでしょう。
現代のポップスにはロック系・R&B系・ジャズ系など様々なジャンルがありますが、多くに共通しているのは、黒人音楽をルーツにしていることです。西洋の白人音楽であるクラシックとは、歴史的な背景も音楽の成立過程も180度違います。ブルースやゴスペルと言った黒人音楽をベースにしている以上、そうした音楽のセンスを理解して吸収することは、ポップスを上手に歌うために必要なことであり、近道です。
誤解を恐れずに言うと、「既存の曲をいかに上手に歌おうとするか」と「心の中にある感情をいかにぶつけるか」という違いです。なんのために歌うのか、という大きな話になってしまいますが、こうした意識の違いは歌にはっきり現れます。
地声だからポップス的、裏声だからクラシック的というのは間違いだと思います。全て地声で歌ってもクラシックっぽく(例えが悪いかもしれませんが、歌のお姉さん的に)なることはありますし、全て裏声で歌ってもポップスやロック・R&B的に歌うことは可能です。(そういう偉大なシンガーは過去に大勢いますよ!)
声を聴いていないので、想像になってしまいますが(ごめんなさい!)、文面からすると、そのような点が課題なのかなと感じました。少し難しい話になってしまいましたが、流行の歌を何となく歌うだけでなく、その音楽のルーツを知り、歌唱を深く理解すれば、(聴くのも歌うのも)音楽がもっと楽しくなりますよ。がんばってくださいね!
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