こんにちは。
部屋で1人で歌っている時は出せるのに、カラオケに行くと出なくなってしまう・・・練習では出来ていたのに、本番で出来ないと、とても悔しいですよね。
まず、裏声になってしまうということは、声帯がきちんと閉鎖されていないことが原因です。地声は声帯の「声門」という部分をピッタリ閉じることで出せますが、何らかの理由で、声門が開いてしまっているために、裏声になってしまっているのだと思います。(ちなみに裏声は声門が完全に開いているのではなく、一部は閉じている状態です)
そして声が枯れてしまうということは、喉に力が入っているのが原因だと思います。喉に力が入ると、声帯の粘膜がこすれて炎症を起こしてしまったり、無駄な力を使い続けているためにすぐに疲れてしまいます。そうすると、声門をピッタリ閉じることができなくなり、息漏れを起こす、すなわち枯れて(掠れて)しまうのです。
喉に力が入ってしまう原因は二つ考えられます。一つは、歌に必要な腹式呼吸が出来ていないことです。腹式呼吸は、横隔膜で息を吸ったり吐いたりする呼吸法ですが、強くて安定した息が楽に出せるので、無理に喉を使う必要がなく、常に喉をリラックスさせたまま歌えます。(これがお腹から声を出すということです)
逆に肋骨を使った胸式呼吸(普段の呼吸)だと、強い息を出したり、長く持続させたり、安定させるために、どうしても喉を使ってしまうのです。喉を使ってしまうと、気持ちとは反対に、弱くて細くてフラフラした声しか出せません。
そしてもう一つは緊張です。緊張をするとどうしても体に力が入ります。特に、歌に最も悪影響のある「上半身」の力みを起こしやすいです。上半身が力むと、喉の力みの大きな原因になりますし、お腹に力が入れにくくなり、横隔膜を使えなくなるので、強い声や安定した声が出せなくなります。それを喉で補おうと、さらに喉に力が入ってしまう悪循環に陥ります。
本番では、誰でも緊張します(カラオケも人前で歌うという意味で本番です)。これは音楽に限らず、スポーツでも芝居でも何でも同じです。プロでも緊張はします。ただプロとアマチュアの大きな違いは、緊張しても一定のクオリティを保てる技術があることです。アマチュアは練習不足なことが多いので、特に緊張による落差が大きくなります。
緊張の原因は色々あると思いますが、「失敗したらどうしよう・・・」という不安や心配のが大きいのではないでしょうか。よく「自信を持って!」などと言われますが、そう簡単に自信を持って歌えたら苦労しませんよね^^;
自信をつけるには、残念ながら、練習するしかありません。練習量は自信量に比例します。特に歌は、普段使わない筋肉を使う(正しい発声が出来ている場合)ので、練習しなければ、絶対に上手く歌えません。「練習をたっぷりやった!」という心の余裕が自信に繋がるのです。
最後に、これはライブなどでも言えることですが、本番のコツは、「上手く歌おう」と決して思わないことです。上手く歌おうとするのは、「練習でやること」です。練習では、いかに上手く歌えるかを研究して下さい。そして上手く歌えたら、それを考えなくても出来るように繰り返して、体に覚えこませて下さい。(歌詞を覚えてしまうくらい歌い込みましょう。)
そして本番はとにかく楽しむ!(お金を取っているライブなら、プラスお客さんを楽しませる!)。そうすれば、自然と自信がついて、緊張せずに歌えるようになるはずですよ。がんばってくださいね。
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