プロがボーカルの悩みを解決します Q85: 僕は今年高校に入ったばかりの軽音部員です。 僕はベースをやっているのですが、ギターがリードギターをやるので僕が歌うしかない状況です。 しかし僕は中学に入ったとたん声がクラスで一番低くなってしまって、歌うのがかなりキツイです。 しかしこの低音を活かしながら高いサビのある曲を歌い切りたいのです! どうか高い声を出せる発声練習方法とアドバイスをお願いします!! (高校1年・男・15)

こんにちは、ご質問ありがとうございます。

今よりも高い声を出すということは、陸上に例えると短距離走のタイムを縮めることに近いです。速く走るようになるためにはどうしたらいいでしょうか。ちょっと考えてみましょう。

何の経験もない人が陸上部に入ったら、まず基本フォームを教わると思います。理論に基づいた正しいフォームは、効率良く走るために大事なことです。当然基礎体力を鍛える必要がありますから、毎日走り込みをします。長距離じゃないから走り込みは必要ない!ということはありません。

基本フォームを覚えたからといってすぐにタイムは縮まるわけではありません。走り込みを行い、少しずつ筋肉を鍛えなければなりません。ある日、目が覚めたら突然速くなっているということはありえませんよね。

歌も同じなのです。正しい発声が出来ない限り、高音は出せるようになりません。ここでいう高音とは、楽に出せて力強い声のことです。よく喉を締め付けて無理に出している人がいますが、それだと苦しそうで弱々しい声しか出せません。キツイからと言ってメチャクチャなフォームでガムシャラに走っても、少しはタイムが伸びるかもしれませんが、必ず壁にぶつかるのと一緒です。

高い声を出したい!というのは、歌をうたう人にとって共通の願望ですが、残念ながらプロのような高い音を出すことに「裏技」はありません。正しい練習を反復するしかないのです。

ここでぜひ実践していただきたいのは、バンドでは、いま現在出せる声で歌えるキーの曲を選んで練習するということです。原曲のキーにこだわる必要もありません。歌いやすいようにキーを変えることも必要です。オリンピック選手が100mを10秒で走れるからといって、初心者がいきなり同じように走れるわけもありませんし、走れないことを恥じる必要も全くありません。走れる範囲でベストを尽くすことが大切なのです。

そして並行して、音域を広げるための発声練習も行うと良いでしょう。高音のための練習方法というのはありますが、それは正しい呼吸や発声がマスターできてから行わないと意味がありません。ですから、できればボイストレーニングの先生につくなどして、基本をマスターして下さい。

特に、高音は声帯を引っ張って伸ばすために、無理に出そうとすると喉を痛めます。まだお若いですから、決して無理をしないようにして下さいね。

以上、参考にしてもらえたら嬉しいです。がんばってくださいね!


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