こんにちは!
喉を開くという表現をよく聞きますが、簡単に言うと、喉の奥の空間を広く保つことです。開くと言うと声帯の開閉のことを指すように思われますが、一般にはあくまで喉の空間の意味で使うことが多いですね。逆に喉の空間が狭くなった状態を喉を閉じると言ったりします。「空間を開く・閉じる」というのは、日本語として少々分かりにくいので、誤解してしまう人がいるかもしれません。
歌において、喉の空間というのは非常に重要です。声は、肺から出る空気で声帯を震動させることで作られますが、その音自体は非常に小さい音です。その音を増幅させることで、音量を出したり、声質が決まったりします。
音を増幅させる一番の方法は、音を反響させることです。トンネルやお風呂の中で声がよく響いて大きな声になりますが、原理は同じです。音が壁にぶつかって反射することで、どんどん大きくなるのです。
声も、声帯で作られた音を反響させることで、大きくすることが出来ます。その反響をさせる場所の一つが、喉の奥の空間なのです。この空間を出来るだけ広くすることで、音がどんどん増幅して、無理に強い声を出そうとしなくても、声量が出せます。これを共鳴と言います。良い声・大きな声を出すには、いかに共鳴をさせるかが重要なポイントなのです。
正しい喉の使い方をこの場で全部説明することは不可能なので、喉の空間が広くなっているかを確認する方法の一つをお教えします。
まず、上あごを固定して(動かさないように)、下あごを押し下げていって下さい。その時、喉や舌に力が入らないように注意して下さい。下あごを限界まで下げていくと、喉の奥に広い空間が出来ることが感じられると思います。
この時の感覚は何かに似ていませんか?そう、アクビです!ちょうどアクビをした時の喉の形が、喉が開いた状態に一番近いです。厳密には違うのですが、最初は「アクビ」と同じと考えてもらって構いません。
そして大事なことは、この形を常にキープするということです。音の高低や発音によって、形が変わってしまってはプロのような歌にはなりません。例えば、低い音では「アクビ」になっているのに、高い声になると、喉に力が入って普段の会話の時ような喉や、締め付けた喉になってしまう人は非常に多いです。
また「ア行」の発音では喉が開いているのに、「イ行」や「エ行」のような口が狭くなる発音になると閉じてしまう人も多いですね。口の広さと喉の広さは別物です。歌詞がある以上、口は常に変化します。でも、喉だけは常に同じ形にしておかなければならないのです。
アクビの形を作るのは誰でも出来ますが、それを歌っているときに常に続けるのは意外と難しいです。特に高い音などでは、無理に声帯に力を入れようとするので、喉は締まって狭くなりがちです。
歌うときは、絶対にアクビの形だけは崩さないという意識が大事です。逆に言えば、どうやってもアクビの形(フォーム)が崩れてしまうような高さなどは、実力を超えた音域(まだ使えない音域)だということです。
漠然と歌うのではなく、こういうことを意識するだけで、とても良い声で楽に歌えるようになりますよ。これからも歌を楽しんで下さいね!
以上、参考にして頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。
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