プロがボーカルの悩みを解決します Q91:音程について質問です。

歌っているときは気にならないのですが、自分の歌を録音をして聴いてみると明らかにフラットしているようい聴こえます。何度も録音しなおしても絶対にフラットしてしまいます。歌っているときは合っているように思うのです。これは音痴といえるのでしょうか。

また直す方法があれば教えて下さい。(アルバイト・男・22)

こんにちは。
歌っている最中は気が付かないのに、録音をして聴き返してみるとピッチがフラットしてしまうというのは、アマチュアの方に大変よく見られる問題ですね。

これは必ずしも音痴が原因とは限りません。聴き返した時にピッチのズレに気付けているということは、耳は悪くないはずから、音痴というよりも発声方法やモニターの問題が大きいと思われます。


まず一番に考えられるのは、呼吸や発声が正しく出来ていないケースです。アマチュアの方の多くはこれに当てはまります。呼吸・発声とピッチ音程に何の関係が?と疑問に思われるかもしれませんが、実は大いに関係があるのです。

声の高低(ピッチ)というのは、声帯で作ります。声帯を引っ張って薄く伸ばせば高い音、緩めて厚くすれば低い音というように、声帯の形を変形させることで、様々な音の高低を作り出します。

この時に何らかの原因により、あるピッチを出すために必要な声帯の形を作ることが出来ないと、自分の頭の中では正しいピッチをイメージ出来ているのに、実際の声がそれと違ってしまうのです。

そして、その大きな原因の一つは、喉の力みです。喉に無理な力が入っていると、声帯を正確に変形させることが出来ません。筋肉はリラックスしていないと、正しく動かすことは出来ないのです。これはスポーツも一緒ですね。

特に喉が力んだまま歌ってしまうと、出したいピッチに少しだけ届かない、つまり若干フラットしやすくなります。無駄な力が入っていると、そのピッチに必要な形に届かないのです(声帯を引っ張りきれない)。

喉を力ませずに歌うには、正しい腹式呼吸と発声をマスターすることが絶対に必要です。(シャープではなく)どうしてもフラットしてしまう人は、正しい発声が出来るようになると驚くほど改善するケースが多いです。

小手先で無理にピッチを合わせようとするのではなく、こうした根本原因から解決を図ってみてはいかがでしょうか。(長くなってしまったので、モニター環境にについては、別の機会に)

以上、参考にして頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。


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