こんにちは。
実際の歌を聴いていないので想像と一般論になりますが、部活で合唱をされているとのことですから、ある程度の基礎は出来ていると仮定してお答えします。
まずパワフルに歌えないとのことですが、これはおそらく合唱の発声をそのまま(もしくは一部)ポップスに使ってしまっていることが原因の一つではないでしょうか。
一般的に合唱は、クラシック声楽寄りの発声で、(簡単に言うと)前にぶつけるような声の出し方でないので、ポップスのようなパンチのある声が出しにくいです。また、合唱はその名の通り、大勢で歌を合わせることが主な目的なので、ソロで歌うポップスとは必然的に必要なテクニックも変わってきます。
もちろんどちらも呼吸や発声の基本的な部分は一緒ですので、部活で練習してきたことは活用できるのですが、ある程度分けて練習していったほうがいいと思います。
まず、裏声や頭に抜くような発声は基本的に使わないこと。ポップスの基本は地声です。合唱をやっている方は、地声を前にぶつける意識が少ない方が多いので(そのように習わない)、どうしても後ろに引っ込んだような歌になりがちです。
なかなか地声だけで歌うという感覚が掴みにくいと思いますが、高い声でも裏声に逃げずに、地声だけで歌い切る練習をしてみて下さい。
この時、当然使える音域は狭くなると思いますが、地声で出せないからと言って、無理に喉を締めたり力ませたりして歌わないこと。楽に出せる範囲で練習することが上達のポイントです。
そして最初は出来るだけ大きな声を出すこと。部屋などで小さい声で歌っていると、なかなか地声で歌う感覚はつかみにくいので、お腹からしっかり声を出せる環境で練習するようにしましょう。
それから、歌詞に対する意識も大切です。合唱は大勢を歌うので、自分の気持ちを込めてニュアンスをつけるということに慣れていない人が多いようです。これは合唱の性質上仕方がない部分もあるので、良い悪いではなく、ある程度考え方を切り替える必要があるということです。
ポップスの場合、歌詞を伝えるというのが何よりも重要です。どんなに技術的に上手に歌えていても、感情のこもっていない歌は非常につまらないですからね。音を外さないとか、高い声が出るということももちろん大事ですが、それ以上にどうしたら歌詞の内容を聴く人に届けられるかということが重要なのです。
そのための練習方法の一つとして、歌詞の朗読をおすすめします。歌詞の内容を自分なりにしっかり理解して、女優さんになったつもりで朗読してみましょう。そして、歌うときにも、そのニュアンスをきちんと出す練習をしてみてください。
朗読が棒読みだと、当然歌も棒読みになります。録音をして棒読みになっていないかチェックしながら練習すると良いでしょう。
歌詞を伝えようという気持ちが強いと、自然と歌が前に出てきます。裏声よりも力強い地声のほうが伝わりますから、自然と地声を使いたくなるはずです。
最後に、誤解をして頂きたくないのは、合唱スタイルの発声でもポップスをかっこ良く歌っている人もいるということ。今回のお話は、あくまで合唱経験者に多いという一般論です。こうしなければいけないという決まりはありませんので、ぜひ色々試してご自身のスタイルを確立してもらえればと思います。
ありがとうございました。
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