みなさんは、自分がどれくらいの音域を持っているか知っていますか?
多くの人は1〜1.5オクターブくらいでしょうか。。
中には3オクターブも出るという人もいるかもしれません。
それともあまり気にしたことはありませんか?(^^;)
声に出せる音域というのは人それぞれ違います。
でもここで注意していただきたいのは、
「出せる音域」と「歌に使える音域」は違う
ということです。
ただ出すだけなら、結構高い音や低い音が出せるかもしれません。
しかし、歌の中で使うとなると話は別です。なぜなら、歌は聴いている人を心地よくさせなくてはならないからです。
金切り声を上げれば、かなり高い音も出せるでしょう。うなり声なら、低い音も出せます。でもそのような声はあまり気持ちいいものではありませんね。本人は気持ちよく歌っているつもりでも、聴いている人にとっては実は苦痛だということがあるのです。
友達同士でカラオケに行くと、そんな歌に出会ったことがあるかもしれません(^^;)。
(本人には口が裂けても言えないですが・・・)
「歌に使える音域」とは、一番いい声を出せる音域のことです。トレーニングをしたことのない人がいい声で歌える音域は個人差がありますが、広くても1オクターブです。
歌をうまく聴かせるポイントは、
自分のいい声の音域を知り、その範囲の曲を選ぶ
ことなのです。
当たり前のように聞こえますが、実践している方は意外と少ないはずです。
歌おうと思っている曲の音域を調べてみましょう。書店や楽器屋さんに行けば、歌本やスコア(譜面)が簡単に手に入るので、自分が歌おうとしている曲のメロディーの音域をチェックすることができます。
オリジナル曲でしたら、一度譜面におこしてみて確認してみて下さい。たくさん調べてみるとわかりますが、名曲やヒット曲の多くは、だいたい1オクターブ+4、5音くらいで作られていることに気づくはずです。
一般的には、男性は、ド〜上のファ、女性は下のソ〜上のドあたりで作られていることが多いです。それじゃ1オクターブしかない人は、人前でヒット曲を歌うな!ってことですか!?
という声が聞こえてきそうです。
そんなことはありません。
キー(調)の設定を自分に合ったものにすればいいのです。仮に1オクターブしか出せないとしても、メロディーの流れの中のある一音だけなら意外と出せてしまうものです。
(目立たないという意味ですが・・・)
ファルセット(裏声)を使うのも手です。
コツは
その曲の一番聴かせどころのメロディーを自分の一番いい声の音域に合わせる
ということです。
もちろん、きちんとトレーニングを受けて音域をすこしずつ広げる訓練は大事です。使える音域が広くなれば、それだけ表現の手段が増えるので、武器になりますからね。
でも曲選び・キー設定を工夫すれば、驚くほど上手く聴かせることはできます。好きな曲を歌いたい!という気持ちはよくわかりますが、もし人前で歌うなら、特にライブなどでお金を取って聴いてもらうときには、お客さんを心地よい気分にさせたいものです。
どんなにいい曲でも、歌がイマイチではお客さんも気の毒です。好きな曲=歌える曲になるのが理想ですが、自分の音域に合っていない曲は、いずれ歌えるようになるまでの練習にとどめておきましょう。難しい曲を無理して歌うよりも、簡単な曲を感情を込めて表現して歌うほうが、よっぽど聴いている人の心を打つことができるのです。
今回は以上です。お疲れ様でした。
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