メディアを使う以外にも、CDの存在を知ってもらう方法はあります。
CDショップで宣伝
人目に触れる手段としては、CDショップの試聴機もとても有効です。音楽は目に見えないので、まずは聴いてもらうことが一番大事だからです。
試聴機に入れてもらうのはなかなか大変です。レコード会社の「営業スタッフ」が、あちこちの販売店に走り回り、試聴機で入れてもらえるようにお願いしたり交渉したりしているのです。
CDショップも商売なので、売れそうにないCDを数少ない貴重な試聴機に入れるわけではありません。試聴機に入れることでCDがたくさん売れそうだという思惑があるからCDショップも入れてくれるのです。
だから、「売れそうだ」と思わせることが必要なわけです。
ではどうすれば「売れそうだ」と思わせられるでしょうか?
@ヒットの実績のある有名アーティストだから次の作品も売れそうだ
A新人だがライブの動員もあるし、宣伝にも力を入れてるから売れそうだ
こんなふうにCDショップに思ってもらえれば、試聴機に入れてもらえる可能性があります。
営業スタッフは、「このCDは、これこれこういうな理由で〜枚位売れるはずですから、ぜひ試聴機に入れてください」・・と頼んでまわるわけです。
こういう仕事は、主にレコード会社の「営業スタッフ」の仕事です。セールスとか販売促進(略して販促)活動とも呼ばれます。
当然、全国のCDショップの試聴機に入れてもらうには、一軒一軒にまわってアーティストの魅力や売上予想を説明して回ることが必要なのです。
それから、CDが目立つようにたくさん並べたり、ショップの目立つ場所に置いてもらったり、「面出し」といってジャケットが見えるように置いてもらうようにお願いするのも大事な仕事です。
もちろん一人の営業スタッフではとても回りきれません。メジャーの大きなレコード会社だとたくさんの「営業スタッフ」が、ひとりでも多くの人たちにCDを試し聴きしてもらえるよう、日々全国のCDショップを飛び回ってCDの売り込みをしているのです。
ライブ・コンサート活動
コンサートやライブも、アーティストの魅力を知ってもらうための非常に有効な手段です。やはり目の前で演奏されるとインパクトが違います。
プロの場合は、コンサートは「宣伝の目的」で行われることがほとんどです。新しいCDを作ったら、それを宣伝するために、全国ツアーなどを行います。
新人だと、特にコンサートツアーが重要になります。メディアの力を使えないので、アーティスト自身やCDの存在を知ってもらうためには、地道なライブ・コンサート活動をするしかないわけです。
このコンサートはプロダクションが企画することが多いです。
プロダクションが、
・どういう目的で
・どのくらいの広さで
・何人くらいの動員で
・どういう内容で
・いくら位かけて
ということを綿密に計算して企画をします。大規模になると、イベンターというコンサートイベントを専門に作る会社に運営を頼んだり、コンサートの宣伝を専門業者に頼んだりします。
チケットの販売も何万枚となると管理がしきれないので、皆さんおなじみの「ぴあ」などの会社にお願いすることのあります。
コンサートの場合もやはり宣伝が大事なんですね。
このようにお客さんがCDの存在を知るまでに、これだけの流れがあり、たくさんのスタッフが関わっているのです。
さて、いくら宣伝をしても、実際にCDがお店に並んでいなければ、お客さんは買うことができません。CDはどうやってお店に置かれるのでしょうか。
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目次 はじめに |
第1章 - お客さんがCDの存在を知るまで 1. CDを知ってもらう 2. メディアにのせる・記事・広告 3. 試聴機に入れてもらう・ライブ活動 4. CDがお店に並ぶまで・流通 |
第2章 - CDクレジットから業界を覗いてみよう 1. CDクレジットの説明 |
第3章 - CDが出来るまで 1. マスタリングとミックスダウン 2. レコーディング 3. アーティストの発掘 |
第4章 - 契約、そしてお金が動く 1. アーティストに関わる契約 2. アーティストが手にする収入 3. 新人と大物の収入 4. 著作権と音楽出版社 最後に |