オーディション応募の心得

 

その2 音源の作り方

当然ながら、音源はデモテープのオーディションにおいて最も大事な資料です。ちょっとした工夫と気遣いで、プラスにもマイナスにもなります。ここではデモテープを作る際の注意点をご説明します。


1.曲数

曲数は2〜3曲がベスト。もしたくさんの持ち曲があるなら、何回かに分けて応募するのも手です。たまに何十曲も送ってくる人がいますが、よほどのことがない限り全部は聴かれません。とっておきの自信作を送りましょう。家族や友達など第3者に選んでもらうのも客観的でいいですね。


2.選曲

選曲はとても大切です。いくら可能性があっても、選曲が悪いせいで、それがちゃんと伝わらないことがあるからです。選曲のポイントは、自分を一番アピールできるかどうかです。

まず自分の実力に合っているか。いくら良い曲でも歌いこなせていなければ意味がありません。歌いこなせているとは、次のような歌です。

・キーが合っている
大事なことは、自分の声が一番良い音域かどうかです。高音のある一音だけが出ているかどうかよりも曲全体のキーが合っているかのほうが大事です。一音くらい出ていなくても差し引いて聴いてもらえます。最近のヒット曲はキーが高い傾向にありますが、なるべく避けたほうが無難です。

・心がこもっている
いくら音程が合っていて上手にうたっていても、グッとこない歌は敬遠されます。上手い人はたくさんいますからね。どれだけその曲に感情を込めているかはとても重要なことです。歌詞は暗記するくらいしっかり読み込んで理解して、自分のなりの解釈でのびのび歌いましょう。難しい曲を無理して歌うより、簡単な曲を情感豊かに歌うほうがずっと心に響きますよ。

・モノマネにならないように
元アーティストのモノマネは一番敬遠されます。特に今ブレイクしているJポップアーティストのモノマネは最悪です。モノマネは練習としては有効ですが、オーディションは歌という作品を聴いてもらう場ですからね。モノマネをするなら、難しい洋楽シンガーを完全に真似るくらいの意気込みで!

・イントロが短い曲
これも大事なポイントです。毎日たくさんのデモテープを聴くDやPにとって、イントロが長いととても疲れます。最優先ではありませんが、曲に迷ったらイントロが短い方の曲を選ぶのは一つの方法です。目安としてはイントロが30秒もあったらそれはかなり長いです。

複数曲を送るときは、アップテンポ、ミディアム、バラードなどタイプの違うものがあるといいですね。アップテンポはイマイチでもバラードはすごくいい、など判断する幅が広がりますから。


3.録音・音質

録音方法
録音する方法ですが、カラオケBOXの録音機能で十分です。練習スタジオでCDカラオケを流して一発録音するのもいいですね。使い方が分からなければスタジオのお兄さんに聞けば丁寧に教えてくれますよ。

ちょっと奮発してレコーディングスタジオで録音するのもいいですが、スタジオに慣れていないと実力を出すことが難しいので注意です。リラックスして気持ちよく歌える環境で録音するのがベストですよ。

部屋での録音は注意が必要です。近所への音漏れを気にしながら歌うと、どうしても小じんまりとした広がりのない歌になってしまいがちです。最悪ぼそぼそと何を言っているか分からない歌になったりします。これでは歌の魅力が半減してしまいます。思いっきり歌える環境の人は別ですが、できれば避けたほうがいいいでしょう。

音量バランス
ボーカルであれば、歌がしっかり聴こえていれば音質は気にしなくてよいでしょう。大抵のデモテープは歌が小さい傾向にあります。ちょっと大きすぎるかな?というくらいでちょうど良いですね。

録音レベルは音が割れない程度になるべく大きくしたほうがいいですね。DやPがたくさんの応募曲を聴くときに、音量が大きいというのは多少有利になる場合があります。ただし複数曲を送るときはそれぞれの音量を揃えておくことを忘れずに。1曲目の音量が小さくて、2曲目から突然大きくなるということのないように!

音質
ノイズなどはあまり神経質にならないでいいでしょう。途中で「バチッ!!」という大きいノイズが入っていたり、ずっと「ザ〜〜〜〜〜〜」と鳴っているようでは問題ですが、多少の「サー」や「プチッ」程度なら気にしないでいいですね。録音するときは何回か録ると思いますが、音質よりも気持ちを込めて歌えているテイクを選ぶのがコツですよ。

また、絶対にやめてほしいのは、カラオケが見つからなかったのか、元アーティストの歌にかぶせて録音することです。本人の声が良く分からないので、よほどのことがないと全部聴いてもらえないでしょう。

大事なことは、「歌がしっかり聴こえていること」と「気持ちよく歌った(演奏した)か」です。そして毎日たくさんのデモテープを聴く人の立場になって作るように心がけましょう!

音質を重視すべき人
アレンジャーやプロデューサーを目指すのであれば、音質は大事です。最近は高音質の機材は安く揃いますからね。高い機材があればいいというわけではありません。サウンド感覚やバランスが優れていれば、安い機材でも十分CDクオリティのサウンドは作れます。音のバランスの悪いデモテープはマイナス材料になる可能性があります。

4.メディア

特に指定がなければ、CD−RやMDが無難でしょう。CD−Rはエラーが起こることがありますから、チェックを慎重に。ちょっと高いですが、マスター用CD−Rなど高品質のものならエラーも少なく安心です。複数の再生機があれば全てで確認するといいですね。最初は再生されても、途中でエラーになる場合もあるので、最後までチェックしましょう。

MDの場合はモードに注意です。LPモードは再生できない場合があるので、ノーマルモードで録音しましょう。カセットテープは、巻き戻しが面倒だったりするので避けたほうがいいですね。

オンラインで応募する場合は、MP3がファイルサイズも小さいので無難です。WAVやAIFF、SDIIなどの形式は容量が膨大(5分で50MBくらい)なのでやめましょう。



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