では次に、「コード」について勉強しましょう。
コードというのは、高さの違う2つ以上の音が一緒に響くことです。日本語では「和音」と言います。
もう少し音楽的な話をしましょう。
音楽というのは、「時間の芸術」と言われます。音の大きさ、高さ、音色を組み合わせて、時間の流れにそって表現する芸術なのです。
写真や絵は、モノの瞬間を切り取ったものだから、瞬間の芸術と言えます。
音楽というのは、聴く人の時間を拘束してしまいます。ですから、色々なストーリーを作って最後まで飽きさせないようにしないといけません。
映画でも小説でも、何も起こらずにただ同じ状況がつづいていたら、つまらないですよね?
やっぱり色んな事件が起こってハラハラドキドキ、時にはシクシクしたいですからね。
この時間の流れに沿って変化していく連続した音を「メロディ(旋律)」といいます。
音楽を理解するには、もう一つ、ある瞬間を切り取ったときに、同時にどんな音がなっているか、というのを把握する必要があります。
ある瞬間を切り取ったときに同時になっている音が「コード(和音)」というわけです。
音楽はメロディーとコードで成り立っているということを覚えておいて下さい。
もちろん、作品に仕上げるためには、リズム、音色、演奏など、色々な要素が絡み合っていないといけないのですが、まずは基本となるメロディーとコードの仕組みを勉強するのが、音楽理論なんです。
さて、このコードですが、2つ以上の音を適当に鳴らせたのでは、収集がつかなくなります。
音楽は自由なのですが、コードを分かり易く理解するために、ある決まりにしたがって勉強します。それは、「堆積(たいせき)」という決まりです。
難しい言葉を使いましたが、「堆積」とは「積み重ねる」という意味です。
音を決まりにしたがって積み重ねることで、音楽を作っていくわけですね。
コードの基本は「3度堆積」を使います。
「3度堆積」とは、読んで字のごとく、「3度ずつ積み重ねる」という意味です。
では実際に見てみましょう。
元となる音(Root)から3度堆積すると、必ずこのような串団子のようになります。
この中から下から3つだけ取り出してみましょう。
このように、3つの音による3度堆積の和音のことを「トライアド(3和音)」と言います。
第3音、第5音というのは、スケール上の3番目、5番目の音という意味です。この場合はルートが「ド」から始まってるから、Cメジャースケールの3、5番目、つまり「ミ」と「ソ」というわけですね。
このトライアド(3和音)には4つの種類があります。
音程を思い出してみましょう。
3度にも色々な3度がありましたね。3度堆積のトライアドをもう少し詳しくみてみましょう。
まず、この「ド・ミ・ソ」のトライアドですが、
「ドとミ」「ミとソ」はそれぞれ、どういう3度堆積になっているでしょうか。
完全音程系 |
短音程系 |
長音程系 | 増音程系 |
減音程系 |
|
---|---|---|---|---|---|
0:同音 |
完全1度 |
減2度 |
|||
1 |
短2度 |
増1度 |
|||
2 |
長2度 |
減3度 |
|||
3 |
短3度 |
増2度 |
|||
4 |
長3度 |
減4度 |
3度の名前のついているのは、3つ(短3度、長3度、減3度)ありますね。
「ド→ミ」を鍵盤でみると、
(鍵盤の☆から鍵盤のCまで)
はい、4だから、長3度ですね。(上の表で確認してみてくださいね)
では、「ミ→ソ」は?
ミ(鍵盤C)から数えてソ(鍵盤F)までは・・・0、1、2、3・・・
ですから短3度になりますね。
つまり、「ド・ミ・ソ 」というのは、
「長3度」「短3度」という組み合わせになっているわけです。
この「ド・ミ・ソ」のように、「長3度」「短3度」という組み合わせのトライアドを、
「メジャートライアド」といいます。
他にはどんな組み合わせがあるでしょう。
実は、
3つの音の組み合わせには、
1 | 長3度-長3度 |
2 | 長3度-短3度 |
3 | 短3度-長3度 |
4 | 短3度-短3度 |
の4種類しかありません。
では順番に、「長-短」からみていきましょう。
「長-短」の組み合わせを「メジャートライアド(長3和音)」といいます。
ちなみにルートから5度までは「完全5度」になっています。
次に、「短-長」を見てみましょう。
「短-長」の組み合わせを「マイナートライアド(短3和音)」といいます。
これもルートから5度までは「完全5度」ですね。
では次は「長-長」です。
「長-長」の組み合わせを「オーギュメントトライアド(増3和音)」といいます。
これは、5度が「増5度」になっていることが特徴です。
最後に「短−短」です。
「短−短」の組み合わせを「ディミニッシュトライアド(減3和音)」といいます。
これは5度が「減5度」になっていますね。
ここでまとめておきます。
長-短 | メジャートライアド |
短-長 | マイナートライアド |
長-長 | オーギュメントトライアド |
短-短 | ディミニッシュトライアド |
実際にコードネームを書いてみましょう。
ポップスの音楽を演奏するときには、上の譜例のように全部の音を書かないで、アルファベット文字を使って、コードを簡単に伝えることが出来ます。
覚えて実際につかって見ましょう。
メジャートライアドの書き方
メジャートライアドの場合は、ただCと書いてもいいし、アルファベットの横にM(大文字)を書くか、アルファベットの隣に△を書きます。
マイナートライアドの書き方
マイナーコードの時はm(小文字)を書きます。横に「-」をつけてもマイナーという意味です。メジャーコードと違って、こちらは必ずつけなければいけませんから注意して下さい。
オーギュメントトライアドの書き方
オーギュメントの場合はアルファベットの隣に「aug」または「+」をつけます。
ディミニッシュトライアドの書き方
ディミニッシュの場合はアルファベットの隣に「dim」または「。」をつけます。
まとめておきましょう。
表記の仕方 | なまえ(RootがCの場合) | |
メジャートライアド | Rootがそのままコードネームになる またはM や△をつける |
C、CM、C△ |
マイナートライアド | Rootの横にmをつける | Cm |
オーギュメントトライアド | Rootの横にaugまたは+をつける | Caug、C+ |
ディミニッシュトライアド | Rootの横にdimまたは。をつける | Cdim、C。 |
ここで、Cメジャースケール(ハ長調)の上に3度ずつ音を載せてトライアドを作ってみましょう。
それぞれの和音の下にローマ数字がついているのは、「何番目のコード」という意味です。
ローマ数字の読み方も覚えてしまってくださいね。
ちょっと大変ですが、ひとつひとつコードネームを確認してみましょう。
では「II」からいってみます。
レ→ファが「短3度」で、ファ→ラが「長3度」なので、マイナートライアドになります。
ルートがレだから「D」になるから、コードネームは「Dm」です。
Dm
次は「III」です。
ミ→ソが「短3度」、ソ→シが「長3度」なので、これもマイナートライアドになります。
ルートはミだから「E」で、コードネームは 「Em」です。
Em
次は「IV」です。
ファ→ラが「長3度」、ラ→ドが「短3度」なので、メジャートライアド。
したがって「F」ですね。
F
次は「V」です。
ソ→シが「長3度」、シ→レが「短3度」だから「G」ですね。
G
もう一息です。
次は「VI」です。
ラ→ドが「短3度」、ド→ミが「長3度」だから「Am」
Am
最後は「VII」です。
シ→レが「短3度」、レ→ファも「短3度」ですから、ディミニッシュトライアド。
よって「Bdim」です。
Bdim
よくできました。
ではまとめておきますね。
Cメジャースケール上にできる7つのトライアド ![]() |
このメジャースケール上にできるトライアドを「ダイトニックコード(またはスケールトーンコード)」といいます。
これは曲を考える・作る上でとっても大事なことなので、よく理解しておいて下さい。
ここで覚えてほしいのは、
「I 」は必ずメジャートライアド、「II 」は必ずマイナートライアド、「III 」も必ずマイナートライアド、、、というように、どのメジャースケールでも、I〜VIIに対応したトライアドの順番は変わらないということです。
次の例をみていただけるとわかりますね。
例1:Gメジャースケール
例2:Bbメジャースケール
メジャースケール上のコードということは、そのキー(調)の中の音だけで作られているということです。(Gメジャースケールは、キーGの音だけで成り立っています。)
曲作りをするときに、このコードを覚えておくと非常に便利です。
例えば、キーがGの曲だったら、Gのダイアトニックコードを基本にしてコード進行を作ればいいのです。
もちろん実際の曲は、このあと勉強するセブンスコード(4つの音を重ねたコード)や他のキーのダイアトニックコードを使ったりするのですが、基本はそのキーのダイアトニックコードを使えばOKです。だから曲作りには欠かせないのでしっかり理解してくださいね。
別の角度でまとめておきましょう。コードの種類別に分けてみます。
このように、「I、IV、V」は、必ずメジャートライアド、「II、III、VI」は必ずマイナートライアド、「VII」は必ずディミニッシュトライアドになることが分かります。
見て分かるように、オーギュメントトライアドは、ダイアトニックコードには出てきません。
ただし、これは「メジャースケールのダイアトニックコード」には出てこないだけで、実は、マイナースケールのダイアトニックコードには出てきます。
スケールには、メジャースケール(長音階)とマイナースケール(短音階)があると前に勉強しましたよね。マイナースケールにも同じようにマイナーのダイアトニックコードがあるんです。