一般的に、良いと言われている声には科学的に共通していることがあります。
それは、「周波数のバランスがいい」ということです。
音というのは、周波数(=空気の振動数)で表せます。
(詳しいことは、「あいうえ音楽理論セミナー」で触れていますので、参考にしてみてくださいね。)
一般的に良い声というのは、この周波数のバランスが良い声のことです。
つまり、高音から中音、低音まで、まんべんなく鳴っている声ということです。
例えば高い音域の声だからといって、高い音(周波数)だけが鳴っているわけではありません。倍音成分と言って、同時に色々な音がなることで様々な音色を作るのです。低い声であっても太くて艶やかな声は、中音域・高音域の音も同時に鳴っているのです。
このように周波数のバランスが良いと、とても豊かに響く声になります。(これは楽器も同様です)
皆さんは自分の声を録音して聞いてみたことがありますか?
はじめて自分の声をスピーカーで聞いたときは、あまりにしょぼくて(失礼!)ガッカリされたという方が多いのではないでしょうか。
歌っているときに自分が聞いている声は、口から出ている声と体の中(骨や筋肉)で鳴っている声が混ざって聞こえるため、ある程度、良い声に聞こえてしまいます。
しかし、マイクが拾ってくれるのは、口から出ている声だけであるため、とても弱々しく、痩せた細い声になってしまうのです。
これが現実の声です。
痩せた細い声というのは、どこかの音域が欠けていたり、極端に出すぎていたりする周波数バランスが悪い声です。
声帯で作られた声の原音は、主に鼻の奥の鼻腔と呼ばれる空洞部分で響くことで、大きくなって外に出て行きます。お風呂場やトンネルで声を出すと、反射してよく響いきまよね。同じことを体で行うのです。
音は反射する性質を持っています。反射することで、音の成分が増幅されて、大きく豊かな音になるのです。
マイク乗りの良い、大きく、豊かで、透る声を作り、声量をアップさせるためには、響きのコントロールは欠かせません。細い、小さい、やせている、弱々しい声しか出ないのは、きちんと響かせることができていないためです。
響きのコントロールというのは、普段ほとんど意識しないために、なかなかイメージしにくいと思います。ですが、コツをつかむことで、鼻や口・喉などの体の空間をうまく使って効率よくを響かせることができるようになります。
声の周波数バランスは訓練によって良くすることができます。
ボイストレーニングによって豊かで太い声を手に入れることができるのです。