一生懸命練習をしているのに、なかなか歌がうまくならない!という方。うまくならないのは、「才能や素質がないのではないか」とあきらめていませんか?
断言します。
歌がうまくならないのは、正しい練習をしていないからです。
歌うという行為自体は、単純な筋肉の運動です。
歌に必要な正しい筋肉の動きを身につけさえすれば、歌は必ず上達します。
正しい知識を身につけ、トレーニングを積むことで、誰でも歌はうまくなるのです。
もちろんそこから先、ファンがたくさんつくか、プロになれるか、一流のボーカリストになるか、というのことは次の段階の話です。
ですが、「上手に歌う」ということについては、練習次第で誰にでも可能なことです。
ここでは、歌の上達に必要な知識について少しだけお話したいと思います。
歌の勉強をするにあたって、最初にボイストレーニングを学びます。良い声を作り、良い歌をうたうために、なぜボイストレーニングが必要なのでしょうか?
歌をうたっていて、こんな悩みはありませんか?
・声が細くて、よわよわしい感じがする
・ノドがすぐ疲れる
・ピッチ(音程)・リズムが悪い
・声が不安定で、勝手に揺れてしまう
・声が苦しい感じ、詰まった感じがする
・平坦でこもっている
・歌詞がよく聞き取りづらい
・高い声が出ない
これらは、ボイストレーニングや歌唱トレーニングをしていない人の一般的な声です。
逆に、CDなどで聴くプロの声はどんな感じでしょう。
・声が太くて、力強い
・伸びやかで、ツヤがある
・ピッチ・音程が良い
・歌詞がよく聞き取れ、説得力がある
・メリハリ・安定感がある
・伸びやかで力強い高音
こうしたプロの声は「訓練を積んだ声」です。
ボイストレーニングとは、その名の通り「声を作る訓練」です。
楽器を演奏するミュージシャンと決定的に異なるのは、ボーカリストは「体が楽器」であるという点です。
楽器演奏家はお金さえ出せば、良い楽器を手に入れることができます。しかし、ボーカリストは何億円出しても、良い声を手に入れることはできません。
ボーカリストは自分で楽器(=体)を作らなければならないのです。
でも、逆に考えてみて下さい。
楽器(=体)を自分で作ることができるのです。高いお金を出さなくても、努力次第で「良い楽器」を作ることができるわけですから、誰にでも平等にチャンスがあるのですから、ワクワクしてきませんか?
ボイストレーニングは、「良い楽器(=体=声)を作る」ためのトレーニングであり、そしてまた「声と歌で様々な表現をする」ための下地作りです。
ボイストレーニングとは、歌に必要な筋肉の動きを覚え、鍛える訓練です。
歌における声は、普段日常生活では使わない筋肉を使いますから、鍛えなければ変わることはありません。どんなに毎日歌っていても、やみくもに歌っていては必要な筋肉の動きはマスターできないのです。
逆に言えば、適切なトレーニングによって必要な筋肉を鍛えることで声と歌は確実に変わります。
・独学だけど、そのうち上手くなるだろう
・毎日うたっていればいつかは声が良くなるはずだ
・大きい声を出し続ければ声量がアップする
・歌が下手、音程が悪いのは才能がないからだ
残念ながら、これらはすべて間違った考え方です。
その理由について、まず最初に声の出る仕組みからお話しましょう。